結論から言うと、パブリックビューイングの開催方法は、「何を映すか」で必要な手続きが変わります。
テレビ放送を映す場合とネット配信を映す場合では、確認する相手も異なります。
まず確認すること:映すのは放送か、ネット配信か
最初に決めるのは、映したい試合が地上波・BSの放送なのか、DAZNなどのネット配信なのかです。
この違いで、著作権法上の扱いと、店舗が取るべき契約が分かれます。
家庭用の受信装置を使って受信し公に見せる場合は、著作権法38条3項の後半で例外が認められており、営利かどうかを問わないと解されています。
放送事業者には、放送を拡大装置で公に伝える権利(著作権法100条)があります。大画面での上映は、放送事業者の許諾が必要になる場合があります。
38条3項の例外の対象は、放送と、放送局が放送と同時に行う配信などに限られます。DAZNのような配信サービスは対象外で、規約や契約で店舗での利用が認められているかが問題になります。
テレビのサイズによる違いはオリンピック店舗放映のルールでも扱っています。
開催までの手順
手順を順番に並べると、抜けが出にくくなります。
- 1. 映したい試合と、その権利を持つ放送局・配信サービスを調べる
- 2. 店舗や会場での上映を認める契約やプランがあるかを確認する(DAZNの場合はDAZN for BUSINESS)
- 3. 画面の大きさと機器の種類を決める
- 4. 入場料やチャージ料を取るかどうかを整理する
- 5. 会場の人数、音量、近隣への配慮を確認する
- 6. 告知の内容を、契約や規約の範囲で作る
DAZNの場合の契約はDAZNの法人契約とは?、個人契約との関係はパブリックビューイングと個人契約で解説しています。
大きなイベントでは主催者のルールが加わる
ワールドカップのような大会では、主催者が上映のルールやライセンスを定めている場合があります。
FIFAワールドカップでは、FIFAが商業的なパブリックビューイングの規程を定め、飲食店などでの営利目的の上映にライセンスを求めてきました。
2018年大会の規程では、商業イベントのライセンスに料金がかかるとされています。
大会ごとの条件は変わるため、開催の前に主催者や放送局の公式の案内を確認してください。
準備の全体像はワールドカップ2026を店舗で上映する準備ガイドをご覧ください。
入場料・チャージ料を取るときの注意
著作権法38条3項は、営利を目的とせず、観客から料金を受けない場合に、放送を受信装置で公に見せることを認めています。
店舗が飲食代やチャージ料を取る場合は、この例外に当たらないと考えて準備したほうが安全です。
その場合は、通常の家庭用受信装置の範囲で見せるのか、放送事業者の許諾を得るのかを確認します。
料金を取る場合は、店舗向けの契約の範囲で行うことが前提になります。
人数と近隣への配慮
人が多く集まる日は、権利の面とは別に、安全と近隣への配慮が必要です。
- 店舗の収容人数と、避難経路の確保(消防の基準は店舗ごとに確認)
- 音量と開催時間(深夜は自治体の条例の対象になる場合がある)
- 店の外で待つお客様の整理
よくある質問
Q. 無料で開催すれば、許可は不要ですか?
A. 料金を取らない場合でも、放送の大画面での上映やネット配信の上映には許諾が必要になることがあります。映す内容ごとに権利元へ確認してください。
Q. 家のテレビと同じ大きさなら問題ありませんか?
A. 家庭用の受信装置で放送を受信して見せる場合は例外が認められていますが、大きさの明確な基準は法律にありません。判断に迷う場合は放送局や弁護士に相談してください。
Q. DAZNの試合をパブリックビューイングで流せますか?
A. 個人契約のDAZNでは流せません。店舗や会場で流す場合は、DAZN for BUSINESSなどの店舗向けの契約を窓口に確認してください。
開催を決める前に、映す試合の権利元と、店舗向けの契約を確認することから始めてください。


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